働き方改革によるテレワーク推進や感染症対策により、非対面で打ち合わせが可能となる「リモート会議システム」が注目されています。
導入が急増したZoomのほかにもリモート会議システムにはさまざまな種類があります。
しかしながら、
- 自社に合うリモート会議システムの選び方がわからない
- 各社システムの機能の違いや特徴がわからない
という方も多いはずです。
そこで本稿では、仕事をかしこく・たのしくするビジネスメディアを運営する「Smarf」が、テレワーク時代に役立つ「リモート会議システム」について詳しく解説していきます。
- テレワークをさらに効率化したいと考えている中小企業の経営者様
- まずはスモールスタートでほかのシステムを試したいと考えている部門責任者様
といった方などは、ぜひ最後までご覧ください。
リモート会議システムとは?
リモート会議システムとは、インターネットを介して会議を行うITシステムのことです。
リアルタイムでの音声・映像通話や、画面共有やファイル共有なども可能です。
インターネット環境さえあれば、パソコン・スマートフォン・タブレットなどデバイスを問わず、いつでもどこでも利用できます。
インターネット環境を利用するため、接続環境によっては通信が不安定になることもありますが、働く場所が人それぞれ異なる場合でも、複数名での同時接続が可能です。
そのためテレワーク時代の必須ツールといえます。
リモート会議システムの選び方
リモート会議システムにはさまざまなサービスがあります。各社のシステムによって機能や特徴も異なりますので、あらかじめ「どのような場面で利用するか」を整理した上で検討する必要があります。
しかしながら、無料で使えるリモート会議システムもある中で「コストを掛けてシステムを導入する必要があるのか?」といった疑問を感じる方も多いはずです。
本項では、リモート会議システムを導入する際に参考にしていただきたい「リモート会議システムの選び方」を紹介します。
画質・音声など接続の安定性で選ぶ
リモート会議システムにおいて接続の安定性は非常に重要な項目です。
インターネット環境を通して接続されるリモート会議システムは、接続環境によって回線が不安定になり、音声や映像の乱れが起きる場合があります。
もしそうなれば、会議の重要なメッセージを聞き漏らしてしまったり、顧客からの信頼低下にも繋がりかねません。
本導入前にはトライアルを申し込み、接続テストを必ず行いましょう。
スマホやタブレットでも接続が可能かどうか確認する
パソコン・スマホ・タブレットなどマルチデバイスで利用できるかどうかも確認しましょう。
例えば、フィールドセールス(外勤営業)や外出移動が多い職場では、スキマ時間に自宅やサテライトオフィスなどでリモート会議に参加する場合があります。
このように自社の業務において、誰が・どのようなタイミングで会議に参加するかに応じて、マルチデバイス対応が必要かどうか検討しましょう。
またその際の注意点として、私物のスマホからログインできないようにするなど、アクセス権限設定の有無も確認しておくことをおすすめします。
他のツールと連携可能か確認する
検討中のリモート会議システムと、既存のツールがシームレスに連携可能かどうかの確認もしておきましょう。
例えば、Googleカレンダーや、Chatworkなどのビジネスチャットツールと連携ができると、ワンクリックで相手に接続が可能です。
特に昨今ではSaaS型のクラウドツールの導入が増えています。
日経BPコンサルティングとWalkMe株式会社の共同調査によると、1社あたりのSaaSサービス平均導入数は5.9となっています。(参考:デジタルアダプションプラットフォームのWalkMeがSaaS導入後の定着化に関する調査報告書を公開)
注釈:SaaS(サース)とは・・・Software as a Serviceの略語。サーバー側で提供されるソフトウェアを、利用者が必要な機能を必要な分だけ選択して利用できる提供形態のこと。
そのため、
- これ以上新しいシステムを入れても使いこなせない
- いちいちシステムを使い分けるのが面倒
といったお悩みも、システム連携で解決できます。
また、既に導入済みのツールでウェブ会議機能が備わっている場合もあります。
例えば、
- Google meet
- Slack
- Chatwork
などは、無料で使えるウェブ会議機能があらかじめ備わっています。
そのため、これまでリモート会議システムを導入したことがないという場合は、そちらから試してみるのもおすすめです。
だれでもすぐに使えるかどうか確認する
リモート会議システムは、日頃の社内コミュニケーションで活用するものです。そのため誰にとっても使いやすいシステムであることは非常に大切です。
特に、ITリテラシーは人や職種によって異なりますので、ITがまったく詳しくない方でも使いこなせるシステムを選択することがおすすめです。
導入を検討する際には試験期間としていくつかのシステムでトライアルを行い、本社以外の現場の方にも協力頂くなどして、より多くの方に操作感を体感してもらうとよいでしょう。
機能数やプランごとの料金を確認する
リモート会議システムによって使える機能や料金は異なります。そのため「自社にとって必要な機能はどれか?」といった視点で検討しましょう。
いくら多機能であっても使用頻度が低ければ無駄な機能ということになります。
前提として、リモート会議システムを導入することで「実現したいこと」「得たい効果」を明確にすることが大切です。
例えば、
- 会議、ミーティングはすべてオンラインに切り替え、移動に掛かるコストを削減する
- オンラインでの情報共有の場を作り、情報共有・意思決定のスピードアップを図る
といったように、「具体的にどうしたいか?」を決めることで、自社に最適なリモート会議システムが見つけやすくなります。
リモート会議システムおすすめ3選
ここでは、リモート会議システムおすすめ3選を紹介します。導入シェアが高いZoomは今回の紹介から外しています。
もし、現在Zoomを利用されている企業様は、「Zoomのほかにはどのようなリモート会議システムがあるのか?」という視点でご覧ください。
※Zoomについても詳しく知りたいという方は「Zoom使い方マニュアル!知っていると”お得”な便利機能も紹介」の記事も併せてご覧ください。
Whereby

概要
Whereby(ウェアバイ)は、無料でだれにでも使いやすいオンラインミーティングツールです。
複数名と接続するWEB会議向けに開発されており、リモート会議に必要な機能を兼ね備えています。
Wherebyは、とにかくスピーディにリモート会議を開始したい場合におすすめです。
任意の文字列でURLを設定し、専用MTGルームを作成したら、それ以降はURLをクリックするだけでリモート会議に接続可能です。
毎回、会議URLを発行・招待する手間がなく、手軽に利用が可能です。
特長
- かんたんに会議専用URLを発行できる。一度発行したURLは変更の必要なし
- Googleドライブ・YouTubeなど様々なアプリと連携可能。画面共有しながら共同作業が可能
- 無料で使えるリモート会議システムの中では比較的通信が安定しているため、音声・映像が綺麗
導入時の注意点
Safari、Internet Explorerは非対応(Google Chrome推奨)
無料プランの有無
Freeプランあり
費用
Free | Pro | Business | |
---|---|---|---|
費用 | 0円 | 9.99$(約1,042円)/月額 | 59.99$(約6,259円)/月額 |
参加人数 | 4人 | 12人 | 50人 |
録音 | ✕ | ◯ | ◯ |
bellFace

概要
bellFaceは電話を使ったオンライン営業システムです。ネットが苦手な方に向けて作られているため、複雑な設定は一切不要。
ゲストはウェブ上で4桁の番号を入力するだけで接続できます。音声は電話を使用するため、ベルフェイス上で接続が不安定になっても音声通話を続けることが可能です。
オンライン営業中のやり取りはすべて自動的に録音・録画が可能なので、商談後のフィードバックや検証に活用できます。
特長
- 営業内容を録音録画し、営業とトークの振り返りが可能な「レコログ機能」
- 音声は自動通話なので、ネット環境が不安定な状況でも通話は継続可能
- オンラインツール操作が苦手な方でも使いやすいシンプルな設計。ゲストは4桁の番号を入力するだけ
導入時の注意点
音声は電話を使用するため通話代が別途発生します
無料プランの有無
要問合せ
費用
- 初期費用:200,000円
- 月額費用:90,000円〜/ユーザー
導入企業の声

bellFaceは商談中に資料が送れるため、後からメールする手間が省けます。アポイント数も倍以上になり、多い時はbellFaceを30分つないだ後、10分休憩してもう一度30分……というサイクルで回していました。1日最大7件の商談が入ることもありました。
引用:bellFace公式サイト/導入事例(不動産サービス)

メンバーが週に1回、ベルフェイスを利用することで年間5,000件程度、インサイドセールスに置き換えることができます。その結果、移動にかかる6,600時間を削減することができます。インサイドセールスで浮かせた時間を、私たちの目的であるフィールドセールスに費やすことで「約1万件」の商談機会を増やすことができます。
引用:bellFace公式サイト/導入事例(通信インフラ)
MicrosoftTeams

概要
Microsoft Teams(マイクロソフトチームス)は、ひとつのアプリにビデオ会議・チャット・ファイル共有といったリモートワークに必要な機能がそろった、テレワークに最適なツールです。
Word・Excel・PowerPointなど様々なOfficeアプリとの連携機能もあり、Teams上でOfficeアプリを立ち上げると共同編集も可能になります。
Microsoftアカウントがあれば無料版から利用可能なので、まずは操作性などを試した上でアップグレードの検討がおすすめです。
特長
- ビデオ会議、チャット、ファイル共有などテレワークに役立つ機能がオールインワンで備わっている
- Word・Excel・PowerPointなど、使用頻度の高いOfficeアプリと連携することで共同編集が可能
- Microsoftアカウントがあれば無料で利用可能。ツールを集約することでコスト削減
導入時の注意点
Office365やMicrosoft365の機能の一つとして提供されているためTeams単体では使用できない
無料プランの有無
Freeプラン有り
費用
プラン | 費用 |
---|---|
Microsoft 365Business Standard | 1,360円/月額 |
Microsoft 365Business Premium | 2,180円/月額 |
Microsoft 365 E3 | 3,480円/月額 |
Microsoft 365 E5 | 6,200円/月額 |
リモート会議システムを一覧表で確認
サービス名 | 特長 | 費用 |
---|---|---|
Whereby | ・かんたんに会議専用URLを発行できる。一度発行したURLは変更の必要なし ・Googleドライブ・YouTubeなど様々なアプリと連携可能。画面共有しながら共同作業が可能 ・無料で使えるリモート会議システムの中では比較的通信が安定しているため、音声・映像が綺麗 | ・Free:0円 ・Pro:約1,042円/月額 ・Business:約6,259円/月額 |
bellFace | ・営業内容を録音録画し、営業とトークの振り返りが可能な「レコログ機能」 ・音声は自動通話なので、ネット環境が不安定な状況でも通話は継続可能 ・ゲストは4桁の番号を入力するだけで接続可能。オンラインツール操作が苦手な方でも使いやすいシンプルな設計 | ・初期費用:200,000円 ・月額費用:90,000円〜/ユーザー |
Microsoft Teams | ・ビデオ会議、チャット、ファイル共有などテレワークに役立つ機能がオールインワンで備わっている ・Word・Excel・PowerPointなど、使用頻度の高いOfficeアプリと連携することで共同編集が可能 ・Microsoftアカウントがあれば無料で利用可能。ツールを集約することでコスト削減 | ・Microsoft 365Business Standard: 1,360円/月額 ・Microsoft 365Business Premium: 2,180円/月額 ・Microsoft 365 E3: 3,480円/月額 ・Microsoft 365 E5: 6,200円/月額 |
まとめ|リモート会議システムを使えば、チームの一体感を持つことが可能
この記事では、テレワーク時代に役立つ「リモート会議システム」について、導入時のポイントから、各システムの特長・機能・費用を含めて紹介してきました。
リモート会議システムを活用することで、
- 働く場所が離れていてもオンライン会議に参加できる
- スマホやタブレットなどあらゆるデバイスで利用できる
- 他のツールと連携することでシームレスに接続できる
といったメリットがあります。
生活様式も大きく変わったことで、ビジネスシーンにおいても変革が迫られています。
目まぐるしい変化を遂げている中、従来の慣習に従っているだけでは今後生き残ることは難しいといえるでしょう。
特に、情報は鮮度とスピードが命といわれます。リモート会議システムを活用することで、スピーディに情報の共有が可能です。
本記事で紹介したシステム以外にもおすすめのリモート会議システムは数多く提供されています。ぜひ選び方のポイントを参考にしながら、いくつかのシステムを試してみてはいかがでしょうか。